僕は鳴海浩樹、つい先日、受験した私立の小学校から合格通知が届いた。両親もとても喜んでくれて、「入学祝いに高級な寿司屋に連れていってあげる」と約束してくれた。僕はこの学校でたくさん勉強して、将来は宇宙飛行士になる夢を叶えたい。友達もいっぱい作って、楽しい学校生活を送りたいと胸が膨らんでいた。でも、僕はまだ知らなかった。この先待ち受ける波乱の日々を。
入学初日、初めての学校、初めての教室に足を踏み入れる。周りの雰囲気に圧倒され、緊張で誰にも話しかけられずにいた。そんな中、一人の男の子が僕に話しかけてきた。「ねえ、お前、名前なんて言うんだ?」彼の名前は常夫。彼は僕の服装をじろじろ見て、不意に笑い出した。「なんだよ、その地味な服。貧乏なのに、こんな私立にきちゃって笑わせてくれるぜ」と、始まった彼からの嫌がらせ。
僕が持っている筆箱をつまみ上げて、地味だと笑う常夫。その行動に周りの子供たちもつられて、僕のことを「貧乏人」とバカにするようになった。このことは父ちゃんと母ちゃんに心配をかけたくなくて秘密にしていた。
そんなある日、授業参観が行われることになった。僕の母、涼子が教室に来ると、常夫の母、玲子がまたひとこと。
「なんですって、その地味な服は。まるでファッションセンスのない貧乏人ね。でも、よくもまぁ私立に来れたものだわ」と突っかかってきた。
玲子さんのその発言に僕は真っ赤になり、心の中で怒りのスイッチが入った。これは覚えておこうと思った。
数日後、入学祝いの約束を果たすべく、家族で高級寿司屋に行った。そこで偶然、常夫ファミリーと鉢合わせてしまう。「ええ?貧乏なのに、こんな高級寿司屋に?」とプライドを傷つけるような言葉を投げられた。もはや楽しむ気分ではなくなった僕たち家族。しかし、ここで転機が訪れた。
僕はふと思い出し、おじいちゃんに電話をかけた。「おじいちゃん、今から来てくれない?」と。しばらくすると、扉から現れるおじいちゃん。その姿に急に態度が変わる常夫の両親。実は、僕のおじいちゃんはあの青空自動車の社長だった。
「え?社長だって…」と動揺する常夫家族に対し、おじいちゃんは落ち着いて微笑んでいた。僕の母親、涼子のことを「あの青空涼子」と呼び驚く周囲の人々に対しても、おじいちゃんは穏やかに状況を納めた。そして、僕たち家族の平穏を守るために、何かを決心したようだった。
その後、学校では常夫が急に転校することになり、僕をバカにすることもなくなった日々が続いた。学校生活も次第に楽しくなり、僕は新しい友達と充実した毎日を送るようになった。
学校での出来事や母への暴言が、すべて帳消しになったこの日、高級寿司屋での出来事は、僕の心にしっかりと刻まれることになる。その日以来、僕は家族の絆の大切さを一層感じるようになった。
僕はまだまだ子供だけど、大人になってもこの出来事を忘れずに、感謝の気持ちを持って生きていこうと思う。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=vnGp_V9omYQ,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]