ヒロミが初めて中居正広と顔を合わせたのは、スマックとしてデビューしたばかりの頃だった。中居と香取慎吾が「いいとも」に出演するというニュースを聞いたヒロミは、正直なところ驚きを隠せなかった。「なんでアイドルがバラエティに出てくるんだよ」と、心の中で疑問を抱いていた。
だが、収録が終わった後、中居と香取がうまくいかなかったと本気で反省会をしている姿を目の当たりにして、ヒロミは彼らに対する印象を変え始めた。この若き二人には何か光るものがある、と感じたのだ。
その後、ヒロミは中居と香取をよく食事に誘い、司会に必要な技術やゲストとのコミュニケーション方法など、様々なアドバイスをすることになった。二人もそれに応えるように、熱心に耳を傾けていた。ヒロミ自身も、この新しい才能たちを手助けすることに誇りを感じていた。
しかし、時代の流れは無情にもヒロミに逆風を吹き付けた。彼の芸風は次第に時代と合わなくなり、芸能界から干された状態になってしまった。彼自身、表舞台から去ることになるとは思いもよらなかった。
約十年の月日が流れ、ヒロミは芸能界への復帰を果たすこととなる。その知らせが業界を駆け巡る中、彼のもとに一つのオファーが舞い込んできた。それは、かつてアドバイスを送った中居からのものだった。中居はヒロミと再び仕事ができることを心から望んでいた。
収録の合間、二人は煙草を吸いながら雑談をしていた。その時、中居がぽつんと語りかけた。「あの頃はありがとうございました。俺、司会上手くなりましたかね」と。ヒロミはその言葉に、なんとも言えない感慨を覚えた。
「上手いどころじゃないだろ、紅白の司会なんかやっちゃってよ」と、ヒロミは照れくささを隠すように言葉を返した。しかしその内心では、中居の言葉に心から感動していた。あの頃、アドバイスした後輩が大活躍する姿を目の当たりにし、ヒロミは純粋に嬉しく感じていた。
中居の言葉にジンときたヒロミは、彼がかつての自分のアドバイスを真摯に受け止め、努力を重ねてきたことを改めて認識した。中居の成長を目の当たりにし、彼らの関係が時間を経て深まったことに気付いたのである。彼の胸中には、再び共に仕事をできる喜びと、中居が努力の末に掴んだ成功への誇りが広がった。
ヒロミの心には、再びスポットライトの下に立つことができる喜びが芽生え始めていた。
彼と中居の間には、かつての師弟関係を越えた友情とも呼べる絆がしっかりと築かれていた。そしてその絆が、これからも二人の歩む道を照らしていくことだろう。
このエピソードは、ヒロミが人との関わり方、そして芸能界での人間関係の大切さを改めて認識した瞬間であり、彼にとっても揺るぎない励みとなった。中居正広が投げかけたほんの一言——それは、時を経て感動をもたらしたヒロミに対する最高の贈り物となったのである。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=pnerha8QIDg,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]